ChatGPTによる収益機会の創出
GPT-4のプラグイン機能とは
2023年5月から提供が開始されたChat GPT-4.0にはプラグイン機能があり、サードパーティによるプラグイン提供が可能となっています。プラグインでは提供者独自の最新情報の提供や予約サービス、各種サービスへの誘導ができます。プラグインはPluginストアで利用でき、現在1000以上のプラグインが提供されています。
図1 プラグインの利用開始
プラグインのユースケースと事例
プラグインでは以下のようなサービスの提供が想定されています。
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リアルタイムの情報:スポーツイベントや市況、ニュースなどの最新情報をリプライ
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自然言語によるナレッジデータの応答:企業のFAQやコンシェルジュサービスのインターフェイス
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ユーザーのアクション代行:フライトやレストラン、チケットの予約販売などを行う
図2 国内事業者によるプラグインの一例
プラグインがどのような機能を提供するか、メルカリのプラグインでみてみましょう。プラグインのインストールはPluginストアで行います。
インストールが完了するとプラグインが設定されたChatが立ち上がります。ここで例えば「販売中のiphone se3の最安値は?」と聞くと次のような回答が返ってきます。
図3 メルカリのプラグインの事例
質問した最安値に対する回答に加え、販売ステータスと商品リンクを返してくれます。またその際に質問意図の該当性が低そうなものは除外した上で結果を戻してくれます。
Webアプリケーション上でこのような抽象度の高い意図を汲み取った上できめ細やかな検索結果を返すようなUIやバックエンドの実装を行うのは難度が高いです。ですのでWeb上ではルールベースの最低限の機能提供にとどめ、リッチなレスポンスはGPTのプラグインで、というような機能分解を行うことで顧客体験(CX)の向上を実現できます。
その他の事例として、プラグイン利用自体に対して課金をしてマネタイズを図ることも可能です。GPT自体の汎用性は高く、多様な領域に対して学習をし、画像や音声ファイルの読み込みなど目と耳(マルチモーダル)を一応は持っています。しかしながらそれらの読み取り精度や機能、ディープインサイトの返答に関しては専用アプリケーションや専門家の回答には劣ります。インターフェイスとしてGPTを利用しつつ、ナレッジや専用アプリケーションプラグインとして有料で提供することで、独自の知見や技術を持った事業者はビジネス機会が訪れます。
図4 有料プラグインの例
ここまでお読みになり、GPTプラグインにご興味お持ちになりましたらお気軽にお声がけください。