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なぜ導入したBIが利用されないのか

 DX推進の一丁目一番地としてBIの導入によるデータドリブン経営が各社で行われています。しかしながら満を持して導入したものの、期待したほど利用されず効果が乏しいようです。DX推進担当者にとっては由々しき問題ですが、その原因について深掘りしていきます。

BI導入の目的

 DX(デジタルトランスフォーメーション)推進において、BI(ビジネスインテリジェンス)導入の目的は、データを活用した意思決定の高度化と効率化です。具体的には次のような効果が期待されています。

 

1. 意思決定の迅速化と精度向上

BIツールは、リアルタイムまたは定期的にデータを可視化し、分析可能な形にすることで、意思決定者が迅速かつ正確な判断を行える環境を提供します。

  • ダッシュボードでKPI(重要業績評価指標)の追跡が容易

  • 部門横断的なデータの統合により、全社的な視点での判断が可能

2. データの民主化

BIを活用することで、非エンジニアの従業員でも直感的な操作でデータを分析できるようになり、全社員がデータを活用して業務を改善できる体制を整えます。

  • 簡単なドラッグ&ドロップ操作でレポート作成

  • データに基づいた「現場主導の改善」が促進される

3. 業務効率化

データ収集、集計、レポート作成などのプロセスを自動化することで、従来手作業で行っていた業務を効率化します。

  • 手動集計や分析ミスを削減

  • 自動更新されるレポートにより、作業時間を短縮

4. 組織の透明性向上
BI導入によってデータが一元管理されるため、組織全体で情報の共有がスムーズになり、透明性が向上します。

  • 各部門のパフォーマンスを客観的に評価

  • 「何が問題か」「どのプロセスを改善すべきか」をデータで明確化

5. データ駆動型文化の醸成
BIツールを通じてデータを活用する文化を組織内に根付かせることができます。これにより、主観的な判断ではなく、データに基づく行動が一般化します。

  • 定量的な根拠を持つ会議やプロジェクト提案

  • 過去データや予測分析を基にした戦略立案

6. 新たなビジネス機会の発見
BIツールの高度な分析機能により、通常の業務では気づけない市場機会や改善点を発見できます。

  • トレンド分析による新規商品・サービス開発

  • 顧客行動データの分析によるカスタマーエクスペリエンスの向上

なぜ利用されないBIが量産されるのか

理由は大きく7つあります。

1. 目的が不明確

BI導入の目的や期待する成果が明確でないため、ツールがどのような課題を解決するのかが不明瞭になり、利用が進まない。ツール導入が「ゴール」となってしまい、活用イメージが共有されていない​​。

2. 使い勝手の悪さ

BIツールが複雑で操作が難しい、またはユーザーのスキルやニーズに合わない。

高度な設定やスクリプト作成が必要でハードルが高い、利用者目線でのUI/UX設計が不足​など。

3. データの質や整備不足

BIツールで使用されるデータが不完全、最新でない、または信頼性に欠ける場合、利用者の信頼を失う。

データの一元管理ができていない、データの更新頻度や精度が低いなど。​​

4. 組織文化の不適合

データ活用の文化が根付いていないため、BIの活用が進まない。

従来の経験や直感に頼る意思決定が主流、データ活用の価値を実感していないなど。​

5. 導入後のフォロー不足

BI導入後、継続的な支援が不足しているため、利用が定着しない。

導入時のトレーニングで終わり、後続の支援がない、利用促進担当者が不在など。​

6. 現場の課題と乖離

現場の具体的な課題に即していないBIツールやダッシュボードでは、実際の業務に役立たず、利用が敬遠される。

現場の声を十分に反映せずに設計、ダッシュボードが「過剰機能」または「必要機能不足」など。​

7. ROI(投資対効果)の不足感

BI導入による直接的な成果が見えにくく、利用のモチベーションが下がる。

BIが成果につながるプロセスが不明、すぐに見える成果が期待されるなど。​​

いずれもDX推進においてのBI導入自体が目的化し、費用対効果を目的としたものではなく予算消化のためにつくられた代物であることが原因です。また、DX推進部署が主導しているため、実務での利用者の要求は踏まえているものの、関係者の利害調整の末に出来上がった中途半端な成果物であることが利用者を遠ざけています。

では利用者をひきつけるBIにするにはどうすればよいか

それぞれの解決策ですが、原因が多岐にわたるため、各社の主たる要因に合わせて対処する必要があります。また、いずれの解決策も一朝一夕にいくものではなく、ステップバイステップで長い目で取り組む環境を整えてあげる必要があります。

1. 目的が不明確

  • 解決策:

    • 導入目的を明確化し、具体的なKPIを設定する

    • 各部門で「このデータで何を改善するか」を明確にするワークショップを実施

2. 使い勝手の悪さ

  • 解決策:

    • ユーザーのスキルに応じたトレーニングを実施

    • 操作が簡単で直感的なBIツールを選定

    • 初期設定時に、主要ユーザーのフィードバックを積極的に取り入れる

3. データの質や整備不足

  • 解決策:

    • データクレンジングやガバナンス体制を構築

    • リアルタイムデータや自動更新機能を活用

    • データ管理を専門とするチームや役割を設ける

4. 組織文化の不適合

  • 解決策:

    • 経営層が率先してデータドリブンの意思決定を実践

    • 成功事例を社内で共有し、データ活用のメリットを具体的に示す

    • 部門ごとに小規模な成功事例を作り、それを横展開する

5. 導入後のフォロー不足

  • 解決策:

    • 専任のデータアナリストやBI推進担当者を配置

    • ユーザーの利用状況をモニタリングし、定期的なトレーニングを実施

    • ユーザーからのフィードバックをもとにダッシュボードやレポートを改善

6. 現場の課題と乖離

  • 解決策:

    • 導入前に現場の業務フローを詳細にヒアリング

    • ユーザーが求める具体的な指標に焦点を当てたダッシュボードを作成

7. ROI(投資対効果)の不足感

  • 解決策:

    • 小規模なパイロットプロジェクトで成果を示し、全社展開する

    • BI利用によるコスト削減や効率化の具体的な効果を数値で示す​

いかがだったでしょうか。

BIプロジェクトを立て直したいと思った方は下記より資料請求お待ちしております。

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