VTuberの躍進

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VTuberとは

VTuber（Virtual YouTuber）とはアバターなどのバーチャルなキャラクターを用いて、YouTubeに限らず様々な配信プラットフォームを介して、動画の投稿や配信を行う動画配信者を指す。VTuberの先駆者は、2016年11月からYouTube上で動画配信を始めた「キズナアイ」と言われている。さらに、「キズナアイ」が動画内で自らを「バーチャルYouTuber」と名乗ったことから、略語である「VTuber」という言葉が生まれたとされる。2019年には、VTuberは4000人以上存在するといわれ（※1）、VTuberになれる制作アプリ等の出現により今後も増加し続けると考えられる。

VTuberの先駆者「キズナアイ」（※2）

「キズナアイ」は、自身のYouTubeチャンネル「A.I.Channel」にて動画投稿を行うVTuberの先駆者。2021年10月現在、チャンネル登録者数は298万人、Twitter（@aichan_nel）のフォロワー数は約61万人にも及ぶ。「キズナアイ」は海外での人気も高く、2017年6月には中国のSNSサイト「weibo（微博）」にてアカウントを開設したところ、約2ヶ月でフォロワーが13万人を突破。また、「キズナアイ」の投稿動画には英語だけでなく、韓国語やスペイン語といった数ヶ国語の字幕がつけられている。2018年3月には日本政府観光局の訪日促進アンバサダーにも就任しており、日本を代表するVTuberとしての地位を確立している。

スーパーチャット（投げ銭）の活用（※3）

昨今は上述した「キズナアイ」のような美少女系だけでなく、イケメン系や動物系なと様々なタイプのVTuberが登場し、VTuber市場は多様化し拡大を続けている。このように増え続けるVTuberにとって人気の指標となるのが、YouTubeのライブ配信で利用できるスーパーチャット（通称”スパチャ”）、いわゆる投げ銭で得た累計金額である。スーパーチャットでは視聴者は100円から最大5万円まで好きな金額を設定し、投稿者にお金を送ることができる。世界中のYouTubeチャンネルの視聴者評価を収集してランク付けするサイト・Playboardで発表されたランキングでは、累計1億円以上を集めた桐生ココを筆頭に、世界トップ20に日本のライブ配信者が15人ランクインし、そのうち14人がバーチャルYouTuber（VTuber）であった。ヒカキンや東海オンエアなどいわゆるYouTuberとして有名なチャンネルがランキングに入らない理由は、収益モデルの違いによる。前述したYouTuberのチャンネルは、無料で公開される動画内に広告を組み込むことで、広告料を収入としている。しかし、スーパーチャットランキング上位のチャンネルは生配信を主な活動にしているため広告を挟みにくく、代わりにユーザーに月額課金や投げ銭などで直接お金を払ってもらうことで収益をあげている。また、これらのYouTuberにはファン層の違いがあると考えられる。前者（ヒカキンや東海オンエア等のYouTuber）のファンと比べ、後者（VTuber）のファンにはアニメキャラが好きでアイドルの追っかけをする人が多いと言われている（※4）。アイドルやアニメ好きの方には「お金を払うこと」自体に価値を見出す傾向があり、投げ銭によりカメラがパワーアップした等の「配信者に投げ銭されたお金が届いている」という実感、双方向性のコミュニケーションが取りやすいという点がこうしたファン層の獲得に繋がったと考えられる。

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